6月4日、金沢会館の建立6周年を祝う記念法話が開催され、宮本先生から「なぜ生きる」の答えを明らかにされた、親鸞聖人の教えを詳しく聞かせていただきました。
今回は、その内容の一部を紹介いたします。
人生は、苦しみの波の絶えない「難度の海」
親鸞聖人の教えのすべてが記されているのが主著『教行信証』。
その冒頭に「なぜ生きる」の答えを次のように宣言されている。
難思の弘誓は難度の海を度する大船
『教行信証』総序
私たちの人生を、親鸞聖人は「海」に例えられている。
見渡す限り水平線、空と水しか見えぬ大海原に、生まれた時に放り出されたようなもの。とにもかくにも、泳がなかったら沈んでしまうから、一生懸命泳がなければならない。
海には、波が絶えずやってくるように、人生も苦しみが次から次へとやってくる。
例えば、受験戦争、就職活動、仕事でのノルマ、子育ての不安、家族の介護、老いや病との闘いと、一つ乗り越えて、やれやれと一息つく間もなく、すぐに別の苦難に襲われる。
波の絶えない海だから、そのままでは泳ぎ疲れてしまう。そこで、近くに浮いている「丸太」にすがりつく。
それはちょうど、私たちが、お金や財産、家族や恋人、社会的地位や名声、健康などを頼りにし、生き甲斐にしている姿と言える。
これらの幸せが大切なのは、言うまでもない。にもかかわらず「丸太」に例えられるのは、いつ失うかわからない、不安定な幸せだから。
大きな丸太を見つけ、いい気分で身を委ねていても、激しい波をかぶれば、塩水のんで、また苦しまねばならない。私たちが生きる希望にしている幸せも、やがて必ず、崩れてしまうものばかりなのだ。
難度の海を度する大船あり
生きていく時に「丸太」は大事だが、「どんな丸太を追い求めて生きるか(どう生きる)」しか、考えずにいたら最後どうなるか。
あて力にしてきた、あらゆる「丸太」から引き離され、たった独りで、この世を去っていかねばならない。これが人間の一生なら、私たちは何のために生まれてきたのか。
生まれてきた意味も、死後の行き先も分からず、暗く不安な心を抱えて苦から苦へ綱渡りしている私たちを、阿弥陀仏は哀れに思われ、救助の大船を造ってくだされた。これを、親鸞聖人は「難度の海を度する大船」とおっしゃっている。
この大船に乗せていただくことこそが、人間に生まれてきた目的であり、「なぜ生きる」の答えなのだ。
すべての人を救う大船
では「大船」とは何か。それは阿弥陀仏の本願(お約束)のこと。本師本仏の阿弥陀仏は、
「すべての人を 必ず助ける 絶対の幸福に」
という約束をなさっている。あらゆる人を差別なく、平等に救うと誓われた、想像を絶するお誓いだから、「難思の弘誓」と聖人は教えられる。
生きている今、この大船に乗せていただいたならば、何が起きても変わらない「絶対の幸福」に救われ、「人間に生まれてきてよかった」と心から満足できる幸せになれるのだ。
しかも、大船の往き先は「極楽浄土」だから、死ぬと同時に、阿弥陀仏の浄土に生まれることができる。未来が限りなく明るい世界「無量光明土」とハッキリするから、親鸞聖人は
有漏の穢身はかわらねど こころは浄土にあそぶなり
帖外和讃
「生きている今、絶対の幸福に救われた人は、この肉体は変わらないままで、心は極楽浄土へ往って遊んでいるように楽しく愉快である」とおっしゃっている。
弥陀の本願を「聞く」とは
では、どうすれば大船に乗せていただけるのか。蓮如上人は
仏法は聴聞に極まる
御一代記聞書
「弥陀の本願は、聞くひとつで救うという誓いである」と教示。その「聞く」とは、何をどこまで聞くことか、親鸞聖人はこう詳説されている。
「聞」と言うは、衆生、仏願の生起・本末を聞きて疑心有ること無し。これを「聞」と曰うなり。
『教行信証』信巻
仏法を聞くとは、「仏願の生起・本末」を聞くことだと道破されている。
まず「仏願」とは、阿弥陀仏の本願のことである。その「生起」とは、「どんな者のために、弥陀は本願を建てられたのか」。「本末」とは、弥陀が私たちを救おうとされるご苦労の始終である。
この仏願の生起本末に、永久に疑い晴れた一念に、絶対の幸福に救い摂られるのである。
「疑心有ること無し」とハッキリする、聞即信の一念が決勝点。そこまで聞かせていただく。
この弥陀の本願をともに聞かせていただく。そのために皆さんで建てられた金沢会館であり、今年は6周年。
今一度建立の目的を確認し、決勝点まで聞かせていただこう。


編集後記、今日のお仏花
ご法話の後は、会館建立までの軌跡をまとめられた動画を見せていただき、建立の喜びを分かち合うと同時に、この会館で弥陀の本願を重ねて聞かせていただくことを今一度確認しました。
振り返る6年はあっという間ですが、この会館で多くの法友とともに親鸞聖人の教えを聞かせていただけるありがたさを改めて感じます。
金沢会館は、平成29年5月31日の落慶から6周年。会館建立に携わった方々や、維持管理に尽力されている皆さんに感謝し、ともに聞法いたしましょう!
この日も綺麗にお仏花が整えられていました。いつもありがとうございます!




